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頭痛外来

はじめに

 『一般的な病気でありながらまだ根治できていない病気の代表格』それが頭痛です。頭痛の患者さんの多くが、一度も医療機関を受診せず市販薬で済ませているのが現状です。 『たかが頭痛』と侮る無かれ。なんと、歴史上の人物たちも頭痛に悩まされ、過去には頭痛が世界の歴史を変えることもありました。 今日では頭痛に対する予防薬や、痛みに対する注射薬なども保険が適応されています。現在では、頭痛は根治は難しいものの、上手にお付き合いしていくことができる病気になっています。

当院での取り組み

当院では、外来に来られる方には『頭痛問診票』『頭痛インパクトテスト』(*添付ファイルをご参照ください。)などを記入していただき、皆さんの頭痛について、診察の前にあらかじめ把握させていただきます。その上で、症状の経過や頭痛以外の症状なども踏まえて、頭痛の評価に必要な検査(採血・画像検査・髄液検査など)を行います。頭痛のタイプによって治療に適切なお薬が異なり、また、お薬によって頭痛が起こることもあるため、頭痛を抑えるためにはお薬を適正に内服することが重要です。当院外来では、お薬の飲み方など、しっかりとご相談に乗らせていただきます。

頭痛の統計学~頭痛って怖い?!

頭痛の中では、片頭痛(全国に約800万人)、緊張型頭痛(全国に約2000万人)、群発頭痛の3つが代表格です。しかし、頭痛の中には『くも膜下出血』『髄膜炎』『脳腫瘍』といった危険な病気などもあります(表1)。これらの危険な病気の場合には、元になる疾患の治療を行わなければ頭痛は治りませんし、命を失うこともあります。従って、まずは検査を受けていただき、危険な病気を回避した上で、頭痛をコントロールする治療を受けることが必要になります。

頭痛の分類

1片頭痛  
2緊張性頭痛  
3群発頭痛及び慢性発作性片側頭痛  
4器質的病変を伴う頭痛  
5頭部外傷に伴う頭痛  
6血管障害に伴う頭痛くも膜下出血・脳出血・脳梗塞・血管炎・静脈血栓症などが起こします。
7非血管性頭蓋内疾患に伴う頭痛脳腫瘍・頭蓋内感染症・サルコイドーシスなどの非感染性炎症性疾患などで起こります。
8原因物質あるいはその離脱に伴う頭痛薬剤投与あるいは離脱でおこる頭痛です。お薬を飲み続けることでの頭痛や、お酒を飲んでの二日酔いなどがこれにあたります。
9頭痛以外の感染症に伴う頭痛風邪をひいたりすることで起こる頭痛です。
10代謝障害に伴う頭痛二酸化炭素中毒や低酸素など、代謝異常と呼ばれる病気のグループにより起こります。
11頭蓋骨・頸・眼・耳・鼻・副鼻腔・歯・口・あるいはほかの顔面や頭蓋組織に起因する頭痛もしくは顔面痛CT撮影で診断できるケースが多く、原因が分かれば治療をすれば治ります。主なものとしては、副鼻腔炎などがあります。
12頭痛神経痛、神経幹痛、求心路遮断疼痛  
13分類できない頭痛  

頭痛のトリビア

・5000円札の図柄になっている樋口一葉(1872~96)。樋口一葉は頭痛持ちでした。井上ひさしの戯曲『頭痛肩こり 樋口一葉』には「痛むんです、頭が。割れそうなんです。だれか玄翁(金槌のこと)でこの頭を断ち割って下さい。」という描写があります。 ・作曲家のマーラー(Gustav Mahler 1860~1911)は、吐き気と嘔吐を伴う頭痛に悩まされていました。マーラーはアスピリン(1899年から発売開始)を飲んでいたそうです。 (新薬と治療 2001;51(3):23) ・作曲家のモーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart 1756~91)は晩年、頭痛に悩まされていました。1791年7月、灰色の服をまとった不気味な男から、依頼主の名を知らされないまま、「レクイエム」の注文をうけました。頭痛・嘔吐に悩まされながらも、死の4時間前までレクイエムを書き続け、1791年12月5日午前0時55分、35歳で亡くなりました。ライバルのサリエリが死の間際に告白した『毒殺』というのは嘘で、実は慢性硬膜下血腫という脳の病気が死因だったという説があります。(scope35(1):20-21,1996) 現代では、慢性硬膜下血腫は脳神経外科で血腫除去術をうければ救命可能な病気です。もしも現代にモーツァルトが生きていたなら、手術を受けて命が助かり、さらにたくさんの曲を作曲していたかもしれません。 ・作曲家のガーシュウィン(George Gershwin 1898~1937)は、1937年2月の演奏会でてんかん発作が起こり、演奏会をトチりました。その後、明け方になると頭痛が起こるようになりました。1937年7月9日、意識を失い、そのまま入院しました。翌日、当時の一流脳神経外科医ダンディーが呼ばれました。なんと、軍艦がダンディーを迎えに来たそうです。しかし、ガーシュウィンは多形膠芽腫であり、手術の翌日に亡くなったそうです。(岩田誠「芸術家と脳腫瘍」その5、BRAIN MEDICAL 8(3):97-102)
添付ファイル 頭痛問診票
添付ファイル 頭痛インパクトテスト